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華と葉太の合縁奇縁


 恋多き者同士、恋をしたら……どうなると思う?

 夏も始まる新緑の頃。
 カラッと青く晴れた空が、爽やかな色合いで輝いている。
 そんな中。
「ふぇ……っ、グスッグスッ……」
 雨のように涙をこぼす女が一人。 
「おい、どうした?」
 それをのぞきこむ、若い男が一人。
「失恋したぁ〜〜〜〜!」
 そう言って、女はわっと泣き崩れた。

「"華さんには、もっと素敵な人が現れるでしょうから"……だって〜〜〜〜!!」
 グスッとしゃくりあげて、華は目の前の葉太に訴えた。
 聞く方の葉太はというと、「またか」といった表情で、適当にうなずいている。
「あたしを傷つけないように言ってくれてるんだろうけど〜余計悲しいよぉぉぉ!!」
 そう、彼女は恋多き女。ありきたりの文句で断っても、彼女の経験が言葉の真意を悟らせる。
 華は、いつもそうやって失恋してくる。
「断られたもんはしょうがないだろ?」
「だってぇぇぇ……」
 るるーと涙を流しながら、華は缶コーヒーをすする。
「好きだったんだもん……」
 そうつぶやいて、華はテーブルに突っ伏した。
「いいもん、いいもん。また好い人が現れるって……。次は絶対運命の人だもん……」
 この分なら心配ないか、と葉太は肩をすくめた。
 彼女は失恋した最初の一日はこうしてグズグズ泣いている。だが二日目になると立ち直り、三日目にはもう新しい恋を見つけている。
「なぁ」
 ふと、思いついたように葉太は言った。
「なに?」
「恋人になってみないか?」
「……は?」
 あまりに唐突な言葉に、華は涙を忘れたようだ。
 それを見て、葉太はニッと笑みを浮かべる。
「おたがい、こんなに恋愛経験があるのに、まだ俺たち同士は恋をしたことがない……」
 ぐっと、顔を近づける。けれども華は逃げない。
「試してみようぜ、運命か、そうじゃないかを」
 一瞬、華は顔を傾けたが――すぐに、ぽつりとつぶやく。
「それも、面白いかもね……」
 まだすこし、泣き顔のままで答える。
 けれども、それはイエスということ。
「だから、いまは慰めてよ」
「わかった」
 奇妙な恋が、始まった。

 恋多き者同士、恋をしたら……どうなると思う?


   終

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親友だけど、今まで恋愛をしてなかった仲で、何となくつきあう。
これはこれでいい雰囲気。

[Little Eden]様から背景画像をお借りしました。